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再生可能エネルギー

『第1回 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題について』を読んで

投稿日:2017年6月14日 更新日:

再生可能エネルギー(今のところ主に太陽光が牽引)が、大量導入されていくにあたり、系統への接続問題、更なる普及のための価格低下、電力買取のための国民負担の抑制など課題が噴出しており、それらが議論されております。

第1回ということもあり、課題の確認で終始した模様。日本の現状・課題、将来目標、海外の事例がまとまっておりわかりやすい。

以下、気になった点

太陽光発電のコスト

日本は欧州の約2倍のシステム費用。モジュール、パワコン1.7倍。国際流通商品でも内外価格差が存在。住宅用は過剰な流通構造→競争促進と技術開発により国際価格に収斂

と、あるが、日本の規格を満たすために別途試験や開発をしていれば、価格差は発生するのでは?1.7倍はやり過ぎだろうけど。。。

工事費、架台等2.1倍。太陽光専門の施工事業者も少なく、工法等が最適化されていない。日本特有の災害対応や土地環境による工事、架台費増。→工法等の最適化、技術開発により低減。メーカー、工事業者の皆様に期待しております!

目標 非住宅用

2020年 20万円/kW (発電コスト14円/kWh に相当)

2030年 10万円/ kW (発電コスト7円/kWh に相当)

目標 住宅用

2019年 30万円/kW(家庭用電力料金24円/ kW 並み)

できるだけ早期に 20万円/ kW(電力市場価格11円/ kW )

何年くらい使うことを想定しているのだろう?家庭用はパナソニックや東芝だど高いイメージ。その分、性能が良いことを考えると、あくまで平均というかマクロの視点ということなんでしょうね。新築など、予め太陽光を載せる設計にしておけば、費用は抑えられるはずだし。でも、ハウスメーカーに縛られるから不利になるかな?

再エネ導入量増加により、欧州では複合ガス火力の設備利用率は低下。ベルギー、イタリア、オランダ、イギリスとも50パーセント以下。フランス、ドイツ、スペインでは25パーセント以下。

FIT 脱却し自立化のための問題提起がされている。今後は、EV 、PHV 、蓄電池と連携したエネルギーマネジメントにより、自家消費モデルの構築により、国民負担の少ない自立的な電源を増やしていくことが重要とある。

2030年には原子力発電はある程度、運転するという目標でいくと、今の電力料金は下がっていくのではないのかな?そうすると、自家消費モデルが成り立たないような気がする。電力料金を値下げせずに東電は借金返済、廃炉費用捻出というなら別だけど。

2019年に初期の余剰売電された方が満期を迎えるため、蓄電池のコストダウンも併せて自立的な太陽光発電の導入量拡大を図るべきとある。

前から疑問なのだが、エネルギーベースで考えると太陽光以外にも太陽熱も含めて考えた方がいいのではないのかなぁ、と感じている。今回の議題ではないので、また調べてみたいと思います。

家庭単独ではなく、地域の発電供給と需要を最適遠隔制御することにより、1つの発電所のように扱う仮想発電所も手段として紹介されている。

蓄電池価格だが、世界の車載用リチウムイオン電池パックの価格推移が紹介されている。各社調べにより、ばらつきはあるが、5年前と比較して半額くらいにはコストダウンされている模様。ここ10年程で更に下がっていく見通し。

2010~2012年 USD 642~1104/ kWh

2013~2015年 USD 269~746/kWh

2015~2016年 USD 190~441/kWh

2020年 USD 100~296/kWh

2025年 USD 155~221/kWh

2030年 USD 100~169/kWh

 

家庭用蓄電池

2015年実績 約22万円/kWh

2020年目標 9万円/kWh (15年程度で投資回収可能なレベル)

産業用蓄電池

2015年実績 約36万円/kWh

2020年目標 15万円/kWh(ピークカットによる契約電力削減により、7年程度で投資回収可能)

家庭用でも契約電力の見直しで投資回収効果を高める方法は取れないのかな?15年という期間は長いと思うけど、他のメリットは防災だろうか?

自家消費を進めていくにあたり、家庭用PV +蓄電池が今後標準化(経済的に有利となる)。その後、高圧需要家においても同様に蓄電池ふくめたパリティが成立見込み。但し書きにもあるが、電力料金次第でもある。

風力は環境アセスメントに時間がかかるが、英国では政府が事前にアセスを実施して、開発可能な海域を指定するという試みがなされている。

系統接続の制約について

日本では先着順となっており、空き容量がなくなった時点で系統増強費用負担が発生。地域間連系線の増強などの取り組みが実施されているが、ポイントは国民負担をミニマムにする方法を模索している所。

個人的に驚いたのは、p38の課題②

また、総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー部会 新エネルギー小委員会 系統ワーキンググループにおいては、既存電源と将来電源の公平性等の観点からは、30日等出力制御枠(接続可能量)を設定せずに全てを指定ルールとすること(他の電源と同様、原則として無制限無補償の出力制御を行う)について意見が出されている。このような意見も踏まえ、必要に応じて、出力制御ルールの見直しも検討すべきではないか。

上記ワーキンググループで、どのような議論がされているかは要チェックですね。

実際にやるとなると既存太陽光の方からの反発がすごそうなので変更されないか、あるいは系統増強が十二分に行われて出力制御されることは、あまりないような状況になってからになるのかな?

以上、様々な取り組みが今後もなされていきそうです!

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