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家を建てる 読書

感想 あたらしい家づくりの教科書

投稿日:2018年2月26日 更新日:

夢のマイホームなんて言葉もあり、家を買うというのは人生の中でもビッグイベント。

そこに断熱性能というモノサシはぜひ入れないと!と危機感を覚えた本。

快適、健康に長期間住めるようにするためのポイントが解説されています。

 

エコハウスを主導する大学の先生、建築家、窓メーカーといった方々が執筆。

ポジショントーク的なものとして、快適な家で家族との時間を過ごそう、地球環境を考えた話などは、なくもないですが、私は全く気にならなかったです。

 

本書では、断熱・気密性能を高め、太陽・風の力を上手に生かす家づくりを、『高性能なエコハウス』と呼んでいます。

 

高断熱、高気密住宅にする事で宅内の温熱環境が一定となり健康上のリスクや、光熱費の低減。それらを達成するための指標(東京だと、一例としてUA値0.7、C値1.0。熱交換機能付き第一種換気の場合)など、数字に表してくれるため施主にとってのメリットがわかりやすい。

 

実際に一条工務店でiSmart を建築したが、床暖房(24℃)を入れているとはいえ、外の寒さが嘘のように宅内は寒くない(我が家のUA値は0.34、C値0.7)。

乳幼児がいる我が家では子供の着替えや、オムツ替えで寒さに嫌がらないというのは隠れたメリット!

 

エコハウスにするにあたっての増加費用は光熱費の削減と相殺できる。賃貸と持ち家との比較など、金銭面での評価もあり、結局支払う費用が大して変わらないなら快適に過ごせる高性能エコハウスは、マストバイっすな!という気持ちになってくる。

 

一条工務店のカタログには、Ⅳ地域(関東はだいたい含まれる)のZEH 基準で建てても、一条工務店の基準なら年間18万円の光熱費削減が期待できる模様。家の大きさにもよるので、少し金額は下げて毎月1万円削減としても、

1万円×12ヶ月×30年間=360万円

高断熱、高気密にするための増加費用分くらいは捻出できてしまう。

 

上記だと金額的に大して変わらないので、わざわざお金をかけなくても…

さにあらず!

『快適に過ごせる』という定性的なものが手に入ります(笑)

 

その背景となる理由もデータと共に説明があります。特に窓際の冷やっとした空気(コールドドラフト)が発生しにくい点、断熱性が向上することによる結露抑制からのカビ、ダニ繁殖防止が健康面にプラス作用です。

特にヒートショックと呼ばれるお風呂場の気温差による血圧上昇、心筋梗塞、脳梗塞といったリスク低減は、両親との同居や、自身の老後では安心につながります。

ヒートショックでは2015年は5000人弱がお亡くなりになっており、搬送後の死亡も含めるとその3倍以上となる17,000名(推測値)にのぼるそうです…

(医療費の削減として、1人あたり年間9000円ほど期待できると記載あったがピンとこなかったので後述)

 

また、将来、原油価格が上昇しても元々のエネルギー使用量が少ないので、光熱費上昇が抑えられます。

石油王に貢がずに自分や地域のためにお金を使おうというのも共感を呼びますね。

 

一条工務店の防蟻処理は加圧注入とのことで、75年保つとのことであれば、60年くらい住むと考えれば、その間のメンテナンスやリフォーム費用も削減分で賄えそうな気配(^^)

冒頭、高性能エコハウスの定義にもありましたが下記をぜひ考慮していい家にしていきましょう!

これらはあくまで家の性能であって、間取りや内装は自分たちの思うようにできます。

  1. 高断熱、高気密にすることで外気の影響を受けにくくし、エネルギー消費を抑える。
  2. 特に窓からの熱流入・流出が大きいので複層ガラス、樹脂サッシを採用する。
  3. 宅外の日射、風をうまく取り込む

 

むしろ、吹き抜けや大きくて開放的な窓なんかは断熱と気密を高めないと、夏は日射を取り込みすぎて暑く、冬は暖かい空気が上に逃げていき寒いことになるので、高性能エコハウスの方が有利です。

 

我が家は分譲地で景色があまりよくなかろうということで、軒並み窓が小さいですが(笑)

 

住宅設備や太陽光発電などは後回しでも大丈夫!むしろ、後になればなるほど、価格が下がり、高性能になります。太陽光パネルは5年前と比べると半額以下で、1枚あたりの出力も20%増しになっております(買取価格は当時が倍くらいなので、早く始めるメリットというのも当然ありました)。

 

ただ、将来必要となる配管や、下地補強などは事前に検討しておく必要ありですね!一条工務店のiSmart は、ツーバイシックスに断熱材モリモリなので、建築後に配管通すといったことはかなりしづらいそうな…

自宅で将来向けにどうしたか、また紹介したいと思います。

 

以上、ご参考になれば幸いです!

よい家づくりを!!

 

 

追伸、本当に医療費削減 年間9000円?

ここからは、本書の内容から少し離れ参考文献の話になります。

 

本書で高性能エコハウスにすることで、光熱費の削減以外に医療費削減も期待できるとあったが、そもそも1人あたり年間医療費に9000円も使ってたっけ?と感じたので、参考文献に載っていた論文『健康維持がもたらす間接的便益(NEB )を考慮した住宅断熱の投資評価』を読んでみた。

 

光熱費削減は、Energy Benefit という直接的便益(EB)

それ以外は、Non Energy Benefit という間接的便益(NEB)になるそうな。

 

戸建てから戸建てに転居した人からの回答に絞り込み、断熱性が向上したことで健康への影響がどうなったかをアンケートで調査した模様(論文は2011年8月に発表)。

 

対象となる疾患は下記10種類

心疾患、脳血管疾患、高血圧、糖尿病、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、肺炎、関節炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎

 

疾病予防による医療費削減と休業中の所得損失という2面を検討しているため、低所得(年収約290万円)、中所得(年収約450万円)、高所得者(年収約667万円)の分類がなされている。下図は中所得者の場合。

(健康維持がもたらす間接的便益(NEB )を考慮した住宅断熱の投資評価より掲載)

 

計算式からの結果が図4。これによると、中所得世帯では世帯ベースで約27,000円/年のNEB がある。

世帯人数は3人として、1人あたり9000円の効果としたのかな?(最後のまとめでは、27,000円が1人あたりの数字になって混乱するが誤記っぽいです)

 

ポイントとしては、単純に疾病のリスクが減り医療費削減以外に働けないことによる収入減も考慮している点。よって、年収が高い方がより効果があることが伺えます。

 

そして、マクロ的に判断するならば、全体的に疾病予防につながり、医療費削減でき、その効果は!?と、調査するのは重要ですが、個人的には、心疾患と脳血管疾患が毎年発生するとは思えないので、医療費削減の効果は非常に限定的なのかなと感じます。

 

ただし、アトピー、アレルギー、気管支系の疾患にも効果ありとのことなので、金額的には低くても改善されて気持ちよく過ごせるようになるってのはありがたいですね!

 

花粉症持ちにとって高断熱、高気密は外界からの花粉をシャットアウトするが、さりとて外出しないわけにもいかず、アレルギー薬は必要なんだろうなぁ…

 

社会の労働力的なことを考えると病気になって休むってのはマイナスなんでしょうが、個人の休業中の所得損失については、有休、傷病休暇、医療保険でカバー可能。個人の生活の話とどこが違うかを考えて活用すると面白い論文ですね。

 

もちろん、心疾患、脳血管疾患はひとたび発生すると重篤な状態に陥るので、目に見えにくいのですが、そのリスクが低減しているというのはありがたい話です。

 

国債の割引率4%で試算されているが、昨今、4%利回りなんて株式などのリスク取らないと実現しないので、もう少し胸をはってもいいかと。2011年8月の論文なので、当時はもう少し利率が高かったのかな?

 

割引率4%とは、国債は国が破綻しない限り、元本が確保されている最も安全なものに投資して4%利回りの意味。

よって、投資するなら4%を超えるものに投資しないと、わざわざリスクを取る意味がないということです。

 

その他、気になる点として、無断熱住宅とH11年基準の断熱性比較による光熱費削減が35,000円/年とあるが、高性能エコハウスであれば、削減はもっと大きくなるはず。

東京155m2の住宅なので、寒冷地、温暖地であれば、EB 、NEB の値がまた変わったかと思われる。

健康保険は3割負担としているので、乳幼児・子供・高齢者の負担は考慮されていない。

 

中所得世帯であれば、EB +NEB =35000+27000=62000円/年のため、

高断熱化に100万円の費用をかけても16年で回収可能という結果。

高性能エコハウスは、H11基準どころではない断熱性なので、100万プラスでは不足だろうが、光熱費削減は年間10万円以上削減できます。個人にとっても、社会全体にとっても医療費削減はメリットがあるので、やっぱり高断熱、高気密にする価値はあると感じる論文でした。

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